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プロジェクトマネジメント(PMO)サービスの具体的な進め方

画像:報告のための進捗管理をやめて、<br>「次の手」を考えるための進捗管理を行う
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#01報告のための進捗管理をやめて、
「次の手」を考えるための進捗管理を行う

進捗管理はPMOの主要機能です。
一般的には、WBSを作成して週に1回など定期的な会議で進捗状況を確認します。プロジェクト規模が大きくなればなるほどWBSも巨大になり、更新するだけでかなりの労力を要します。進捗会議で確認する進捗率は担当者の感覚値で、人により実際の進捗状況は様々です。これが実態とずれていると後々火事の原因になります。また、ベンダーによっては自社に都合のよいことしか報告しないこともあり、こちらもプロジェクト失敗の原因となります。

図表1 一般的な進捗管理

ケンブリッジでは、こういったことを防ぐため、タスクを「合意形成が必要なタスク」と「成果物作成のタスク」の2種類に分けて進捗を管理します。

「合意形成タスク」はプロセスで管理する

施策検討・決定やToBe業務プロセスの検討・決定など、合意形成を必要とするタスクは、合意に至るまでのプロセスを設計し、セッションレベルまで分解して管理します。進捗を「どのプロセスまで完了したか」で管理するのです。そうすることで、合意形成までの道のり上どこにいるのか、実態を把握できるようになります。また、セッションに必要な事前調査から最終的な成果物も明確になり、セッション時間、場所の確保や参加者の管理も行えるようになります。

「成果物作成タスク」は、作成ステップを分解して管理する

機能要件定義書の作成、プログラムの作成など「成果物を作成するタスク」は、進捗を測る指標を定義して管理します。例えば、ドキュメント作成であれば

・ドキュメントの構成検討
・章ごとの概要作成
・内容詳細作成
・レビュー1回目
・レビュー2回目
・最終レビュー
・最終版保管(完了)

というように、完成までのマイルストンを明確にし、どこまで進んだかで進捗を管理します。

図表2 進捗の実態を把握する手法

この方法で、大きく2つのメリットが生まれます。


メリット1:実態が正しく把握できる
従来の手法が「どのくらい進んでいるか」という感覚で進捗を管理しているのに対して、プロセスや作業ステップをベースに「分解した一つ一つのタスクが、終わったか終わってないか」という明快な基準を元に管理しています。(進捗を把握するのに最適な項目に分解するのが難しいのですが)。そのため、感覚に惑わされることなく、実態をかなり正確に見える化することができます。

メリット2:詰まっている箇所が分かる
プロセスや作業ステップで進捗を管理すると、どこでタスクがスタックしているのかひと目で分かるようになり、対策が打ちやすくなります。例えば、ドキュメント作成においてドキュメントの「章毎の概要作成」「内容詳細作成」までは終わっているのに「「レビュー1回目」で長期間停滞している場合、以下のような原因が考えられます。

・参加者が忙しいなどの理由で、そもそもレビューの場が用意できていない
・レビューは実施しているのだが、ドキュメントの品質が悪く時間がかかっている
・レビューは実施しているのだが、物量がありすぎて時間がかかっている
・レビューは実施したのだが、指摘事項を反映するのに時間がかかっている

など・・・。

こうなると、停滞している原因はかなり特定しやすくなります。単にパーセンテージで管理していると、ここまで原因を特定することはできません。原因がわかれば解決に向けて素早く手が打てるというわけです。