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プロジェクトマネジメント(PMO)サービスの具体的な進め方

画像:早く小さく失敗する
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#05早く小さく失敗する

プロジェクトは長期に渡るもので、状況や取り巻く環境の変化はよくあることです。そんな中でも常にゴールを目指し続け、プロジェクトを成功裡に導くためには、早く小さく失敗し、素早く軌道修正することが欠かせません。簡単な仕掛けを2つご紹介します。

 

ちょっとした不安や懸念を拾い、改善につなげる
-チェックポイントを実施せよ-

ケンブリッジのプロジェクトでは、一つ一つのセッションの最後に必ず「チェックポイント」という時間を約5分ほど設けています。セッションの参加者一人ひとりから、懸念事項や不明点、良かった点、改善点、感想などを一言でよいので発言していただきます。内容は人それぞれ、セッションごとに異なります。会議の最後に必ず振り返りの機会を作ることで、懸念や不安を表明しやすくなるのです。たとえ議論の最中に意見が言い出しにくくても、最後に発言の場があることで拾うことができます。

その日の検討テーマから外れた意見だとしても、その場で思いついた課題や懸念を表明していただくだけで十分なのです。そうして拾えた課題や懸念事項はタスクのオーナーや期日を具体化し、アクションアイテムに落とし込む。こうした積み重ねはプロジェクトマネジメント上、極めて大事であり、課題を山積みやアングラ化を防ぎます。成功プロジェクトではこういったところがきちんと実行されています。

 

後工程に課題を引きずらない
-サンセット・ミーティングを実施せよ-

もう一つの仕掛けが「サンセット・ミーティング」です。サンセットという言葉が示す通り、プロジェクトの終わりや節目で、振り返りを行うミーティングのことです。基本的なアジェンダとしては、プロジェクトの良かった点、改善点をひとりひとりが挙げ、討議すべき課題を抽出し、課題に対する対策を話し合います。個人の成果や振る舞いに対するフィードバックも併せて行います。ここで重要なのは、「個人攻撃や中傷的な発言をしない」などのグラウンドルールを設け、議論を適切に「チームの課題」に向けることです。

我々のチームでよく議題に上る課題は、「デリバリーの品質をもっと上げるためのレビュープロセスは適切か」や「(前フェーズで顕在化した)○○という課題を事前に検知するにはどういった働きかけをすればよかったか」などとコミュニケーションプロセスに起因するものが多いです。フェーズごとに振り返りを行い、次フェーズで打つべき対策を具体化し、メンバー間で合意する。こうしたオープンなコミュニケーションをベースとした取り組みは、次工程に課題を引きずらないために不可欠なのです。

 

図表8 サンセット・ミーティングのアジェンダ、グラウンドルール例