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画像:「自分ごと」から「チームごと」へ  ―広沢流「とっかかり」育成術
ストーリー

「自分ごと」から「チームごと」へ  ―広沢流「とっかかり」育成術

前職時代にケンブリッジの仕事ぶりを目の当たりにし、転職を決めた広沢 元(はじめ)。「ケンブリッジ流のファシリテーションでお客様に真正面から向き合って、高い価値を出していくぞ」と意気込んでコンサルタントとしてのキャリアを歩み始めましたが、最初は全くうまくいかなかった、と言います。「この転職は失敗だった」と思いつめるまでに落ち込んだ、という広沢に、当時のこと、現在の仕事で大切にしていることを聞きました。

 

#01俺たちの3倍の報酬をもらうケンブリッジとは何者か

前職時代、ケンブリッジと同じプロジェクトで仕事をしていた、と聞きました。

 

広沢「そうです。前職はSIerで、12年ほどSEをしていました。ある官公庁系のビッグプロジェクトで、ケンブリッジに支援してもらう形で一緒になりました。要件定義から8か月ぐらい一緒にやりました」

 

その時のケンブリッジの印象は?

 

広沢「ケンブリッジの報酬を聞いたら自分たちの2~3倍で『この人たちはいったいどんな価値を提供するのか』と驚いた、というのが最初の印象です。
しかしある日、ケンブリッジがファシリテーションする会議に出席して、ケンブリッジの高い価値と報酬の訳を知ったんです」

 

詳しく教えてください。

 

広沢「その会議は、これから実装しようとする機能の優先順位を決める場でした。
その会議の中で、あるお客さまが『この機能はコストが見合わないから不要にしたい』と発言しました。自分なら『わかりました』と答えるところを、ケンブリッジが『その機能を実装しないと業務はこうなりますが、それでも大丈夫ですか?』と新たな論点を投げかけたんです。
そうしたら、別のお客さまが『それだと業務が今より煩雑になってしまう。影響の大きい所にしぼって部分的にでもシステム化できないかな』と反応して、そこからさらに深い議論に展開していったんです。

SIerのミッションは『お客様の言うことをシステムで実現する』ですが、ともすれば『言われてないので作ってない』『言われた通り作ったのでコストが当初のX倍になった』みたいなケースに発展してしまうこともあります。しかし、ケンブリッジは、目の前のお客様の言うことを鵜呑みにせず、もっと高い視点から全体を見渡し、そこに関わる全員が納得できる解を決められたコストの範囲で導き、プロジェクトを成功させようとしている。それが分かった時、『あぁ、だから価値も報酬も高いんだ』と納得しました」

#02見るのとやるのでは大違いな「ケンブリッジの仕事」

そして2014年にケンブリッジに転職するんですね。実際に働いてみてどうでしたか?

 

広沢「『ケンブリッジ流のファシリテーションでお客様に真正面から向き合って高い価値を出していくぞ』と意気込んだのは最初だけ、転職してから1年間は『この転職は失敗だった』と思うほど、まったくできませんでした。過去の成功体験を全否定されたような感じでした。精神的にもかなり参りました」

 

過去の成功体験とは、具体的に?

 

広沢「例えば、何かの資料を準備するにしても、SE時代はうまく作れていたし、上司のレビューもスムーズに通っていました。しかしケンブリッジに入ってからは、主にセッションのために資料を準備するわけですが、作っても作っても『全然ダメ』とPM(プロジェクト・マネージャー)から突き返される日々でした」

 

今から振り返ると、「全然ダメ」の要因は何だったんでしょうか?

 

広沢「たくさんありますが、大きなもののひとつは『分からないことを表明する』という考え方になかなか切り替われなかったことです。
資料準備の例でいうと、自分で8割がた仕上げて、見られて恥ずかしくないような状態にしてから上司にレビューしてもらう、という流れが普通だと思います。私も前職ではそうでした。
しかしケンブリッジでは、資料を10%仕上げた状態でまずPMにレビューをもらうというルールがあります。とにかくすごいスピードでプロジェクトが進んでいくので、自分で作業や課題を抱え込む時間を極限まで減らす必要があるのです。極端に言えば『3時間かけてクソみたいなアウトプットしか出せないなら、10分であきらめてすぐ相談にいくべし』という考え方です。

そのほうがチームとして価値が高いし、プロジェクト全体の生産性が上がるんだ、ということが今ならわかります。しかし当時は過去の成功体験が邪魔をしました。『中途半端なものを出すことの恥ずかしさ』みたいなものが自分の中にあったんだと思います。『まだ全然できてない』『ここがわからない』みたいなことを他人にさらけ出すことも、うまく相談するテクニックもありませんでした。セッション資料の準備をまともにできないわけですから、セッションをファシリテートすることなんてできるわけないですよね」

 

前職時代に見ていたのと、実際にやるのとでは、違ったんですね。

 

広沢「まったく違いました。
正直、転職するまでは、ケンブリッジのファシリテーションって、その場の瞬発力でやるものだと思っていました。会議で議論して物事を決めていくための準備、って外から見るとイメージつかないじゃないですか。自分がこれまで培ってきたスキルを活かしつつ、瞬発力でバリバリとファシリテートしてやろう、そんな気持ちでした。
しかし実際にやってみると、特になりたてのファシリテーターが瞬発力でできることなんて何一つありません。セッション当日に至る前に、10%、30%と他人からのレビューを受けながら、セッションの準備を積み上げていかないとどうにもならないんです。『自分が』ではなく、まず『チームが』価値を出す、という価値観に切り替わらないと『全然ダメ』なんです」

 

#03「とっかかり」を教えることで成長を促す

ロッククライミング中の広沢。一見太刀打ちできそうにない崖も、とっかかりを見極めれば上へ登れる、と語る。

現在はPMとしてメンバーを率いる立場です。気を配っているところなどを教えてください。

 

広沢「メンバーも、入社したての自分と同じ過ちを起こしているケースが多いので、『チーム内で相談しながらタスクを進めてね』って言っています。そうはいってもピンとこない人もいるので、そういう場合はけっこう手取り足取りでやっています」

 

具体的には?

 

広沢「例えばセッションの準備をメンバーに任せるとしても、経験の浅いメンバーの場合は、70%くらいは自分が準備して、なぜそう準備したか、を丁寧に説明した上で『自分なりにこういうところを考えてみて』と残り30%を渡す、みたいなことをやっています。ゼロから自分でやってもらって『わからなければ相談して』って言っても、なかなかうまくできないですよね。私もそうでしたが。

自分はロッククライミングをやるんですが、ロッククライミングをやったことのない人にとっては、岩壁って『これ登れるの?どうやって?』と思うんです。しかし馴れてくると、あそこに指2本かけられそうなとっかかりがあるな、こういうアプローチなら完登できそうだ、と分かるんです。それを『とりあえず登ってみて』とか『こういうふうにやれば登れるから』って口頭で伝えても、初心者が登れっこない。だから最初は実際に登ってみせる。すると、その人は『あぁ、ツルツルに見えたけど、ちゃんととっかかりがあるんだな』って分かるんです」

 

「とっかかり」ってキーワード、いいですね。

 

広沢「多分、仕事もロッククライミングも同じだと思うんですよね。その人が最初のとっかかりをうまく掴めるようになるまでは、やってみせたほうが成長が早いと思ってます。初心者はまず経験者のやり方を見て『こうすれば成功するんだ』という肌感を持つのが大事だし、最初からいきなり一人でやって失敗したら、怖気づいちゃって『もう一度やろう』って思えないじゃないですか。

自分で最初のとっかかりを掴めるようになると、次のとっかかりへつなげるにはどうすればいいんだろう、と自然と考えるようになります。そうなればチーム内で相談できるようになります。それを繰り返すうちにメンバーが『自分でとっかかりを次々と掴めるようになってきたな』という状態になったら、次は自分でゼロから準備してみて、と、チャレンジしてもらうようにしています。

そうやってメンバーが成長すれば、チームとしてやれることがどんどん広がっていく、と思ってます」

 

#04「会社のため」の息抜き

有志メンバーによるプログラミング合宿。皆が寝静まる中、広沢が黙々とプログラミングを続けていた。

仕事はハードですか?

 

広沢「入社前に想像してたのより、何十倍もハードです。なにより精神的にプレッシャーがある仕事だと思います。高額な報酬をお客さまからもらって、対価を出し続けていかなければならないし、かつ、お客さまがやれないことをやるから、その価値があるっていうのは、常に意識しています。お客さまができることを代わりにいくらやっても、僕らの価値にはつながらない。それだと単なる高級派遣になってしまう」

 

そんなハードワークの中、広沢さんは社内活動も盛んに行っていますよね。社内のドキュメントや知的資産をクロス検索できるポータルサイトを作ったり。あれはどういう意図でやっているのですか?

 

広沢「あれは、『自分のため』と『会社のため』の半々ですね。

僕の自己成長のセオリーは『とにかくアウトプットすることで自らを成長させる』です。プロジェクトに100%のパワーを注ぎつつ、『まだできるだろ?』とプロジェクト以外のアウトプットを自分の中から繰り出すことで次のステージに行ける、と思っています。

ポータルサイトを作った時は、自分が持っている技術力と、会社が抱えていた『膨大な過去のナレッジに、いかに効率的にアクセスするか』という課題がぴったりマッチしたので、ささっと取り組んでローンチしました。

最近だと、若手のメンバーを集めて、新しいテクノロジーで会社の課題に取り組むような活動をリードしています。

これらの活動はプロジェクトでやっていることと真逆で、目の前の困りごとに対してささっとやれることを黙々とやっています」

 

もしかして息抜きになっている?

 

広沢「そうかもしれませんね(笑)
やったことのないハードなプロジェクトの中で、手探りでとっかかりを見極めながら、周囲を巻き込んで実現可能なゴールを目指す、というのと、難しいことを考えずにとにかく手を動かす、というので、バランス取っている感じですね」

 

なるほど。体に気を付けて、頑張ってください。今日はありがとうございました。

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