本の執筆にも、ケンブリッジのやり方がうまくはまった
『青空本』出版連動企画、第2弾!(第1弾はこちら)
住友生命保険相互会社(以下、住友生命)の百田牧人氏・岡本晋太朗氏、そしてケンブリッジのコンサルタント榊巻亮の3人による共著『ファシリテーション型業務改革 ストーリーで学ぶ次世代プロジェクト』が2020年8月22日に発売されました。
「実名実話のプロジェクトストーリー」ということで、話題の本書。全3回で、本書にまつわるエピソードをご紹介します。
今回の第2弾は、あまり語られることのない執筆の裏側について。3人共著の執筆の進め方って、みなさんイメージがつきますか?
(インタビュー 2020年10月)
#01本を書くにもコンセプトが重要だ
そもそもなぜ3人で執筆することにしたのでしょうか?
榊巻:
共著者である住友生命のお二人のうち、百田さんはプロジェクト立上げ当初からのリーダー、岡本さんは途中から参加した若手社員で、プロジェクト終盤にリーダーになった方です。そして、ケンブリッジのコンサルタントは外部の存在です。立場の全く異なる3人が今回のプロジェクト、通称「青空プロジェクト」をそれぞれの視点で話を展開する構成にすることで、物語にいい具合に立体感を生み出したかったのです。
著者が3人もいると取りまとめが大変ではなかったですか?どうやって執筆を開始したのでしょうか。
榊巻:
実は青空プロジェクトと同じように、まず最初に本のコンセプトを決めました。
コンセプトを決める際には、こんな問いを用意しました。
・この執筆で実現したいこと、経験したいことはなにか?
・誰に向けて、どんな価値を提供する本にするのか?
・価値の提供のために、本の執筆コンセプトをどうするか?
これらの問いに対する3人の想いの一部を紹介すると、
・PJに関わる方たちに、ヒントを提供したい。
・PJで悩んでいる人に「こういうPJもありなんだ」と、世界観を広げてもらいたい。
・そのためには、感情移入を大事にしたい。立場が異なる3人がそれぞれの立場で語る形にしよう。
・そのためには、リアリティと臨場感を大事にしたい。事実を列挙するだけではなく、感情と思考を描写しよう。
・そのためには、当時の資料を極力そのまま載せよう。
・そのためには、悪いことも、苦労したこともそのまま書こう。
・プロジェクトを追体験してもらいたいね。
こんな感じです。
最初にコンセプトを決めたので、3人とも同じ気持ちで執筆に臨むことができました。やはり何を始めるにしても、最初にコンセプトを決めるのは極めて重要なんだな、と改めて実感しましたね。
#02合宿による一体感で、一気に執筆を進めた
共著者の3名。左から百田氏、榊巻、岡本氏
執筆中の苦労と工夫について教えてください。
榊巻:
最初は、各自が少しずつ隙間時間で書き溜めていくやり方を採用してみました。ところがこれが全然進まない(笑)
そこで、青空プロジェクトでは定番のスタイルだった中間サンセット(振り返り)をすることにしました。 そうすると、こんな話が出てくるわけです。
・昔の事を思い出すのに、多少時間が掛かる。
・毎日少しずつ書き溜めていく形だと、当時を思い出して頭が切り替わり、筆が乗ってくる頃に時間切れになってしまう。
・もしかしたら、1日丸々集中して書くような形の方が良いかもしれない。その方が脳みそを切り替えやすい。
じゃあ青空プロジェクトのように「合宿形式」でやりますか!となりました。
これもまたケンブリッジ流ですね(笑)
榊巻:
それからは、執筆合宿日を設けて、3人で集まって一気に書くようになりました。
そうしたらこれが進む進む。
当時の状況を思い出しながら話し始めると、みんな芋づる式にどんどん記憶が蘇ってくるんですよね。
実際に起こったことをそのまま書くだけなので、乗ってくればバリバリ筆が進みます。
「こんなこともあったね」と、当時の思い出話をしながら、バチバチ描き下ろしていく。
一通り思い出を吐き出したら、プロジェクトのフェーズごとに伝えたいことを明確にして、無駄な情報を削ぎ、全体の形を整えていきました。
この過程でボツにした分量はなんと3万字(!)を超えています。普通の本1冊分!いやー書きましたね・・・・。
3人集まっての執筆合宿が功を奏したのですね。
榊巻:
「3人で集まって」と言いましたが、実は、この時期百田さんがシンガポールにいたので物理的に集まるのが難しかったのです。コロナの影響もありましたし・・・。
そこでZoomでのオンライン合宿をしていたのですが、それだと一体感が出ない。一緒にやっている感がでない。ということで、Googleドライブでひとつのドキュメントを同時編集しながら書き進めることにしました。
3人はそれぞれ別の場所で書いているのですが、同じドキュメント上で協働作業が展開されることになります。横目に百田さんの執筆っぷりがなんとなく見えるんです。その速度の早いこと。
これで「物理的にはバラバラの3人が、一つのものを一緒に作っていく感覚」を持てた気がします。
#03コンセプトに立ち返り、500ページを400ページに
そうして、全400ページの本書が出来上がったわけですね。
榊巻:
実は執筆を終えた段階で500ページ近い状態になってしまい、ほとんど辞書と見間違える厚さに!
本書の中で、開発費用の見積金額が当初の1.5倍に爆発するシーンが出てくるのですが、本書の執筆でも見積が上手く行かず、ページ数が爆発してしまいました(笑)
出版社の編集者の方から「250ページくらいにしてもらえます?」という、まさかの半減指示がありました。
そこからどうやってページ数を削減していったのでしょうか?
榊巻:
「執筆コンセプト」に照らし合わせて、本当に必要な部分だけを残し、無駄を削いでいく作業をかなりやりました。
青空プロジェクトでも、コンセプトに照らし合わせて、開発する機能をかなり絞り、予算内に収める活動をしていましたので、もうやっていることは青空プロジェクトと同じです(笑)
結果的には、極めて密度の濃い本になったと思っています。
読者としては、ボツになった部分もぜひ拝見したいものです。
榊巻:
本当ですか? それでは、次の第3弾で一部をお披露目させてください。
楽しみにしております。
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