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お客様事例

古河電気工業株式会社様、古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社様

古河電気工業株式会社のロゴを中心にインタビュー参加者が並んでいる
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古河電気工業株式会社(以下、古河電工)は、情報通信、エネルギー、モビリティなどの分野で社会インフラを支える、140 年以上の歴史を持つメーカーです。そのグループ会社である古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社は、総務、人事などのシェアードサービス領域から、グループ全体の事業運営を支えています。

案件量の増加や新たな事業領域への挑戦に伴い、古河電工グループ全体で、個々人が共創し「組織」として成果を出すスキルの習得が急務となっていました。こうした背景から、2023 年 7 月より「プロジェクトリーダーおよびプロジェクトチーム養成学校」のFoundation コースを継続して受講しています。

本インタビューでは、受講を推進した古河電工、人材・組織開発部の關氏と事業 DX 推進部の関氏、受講者である古河電工ビジネス&ライフサポートの伊藤氏と上司の藤原氏に、受講に至った背景や得た学び、さらに受講から 2 年経過した現在の成果について詳しくお話を伺いました。

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右から(所属・役職はインタビュー当時のものです)

關 俊也 氏(古河電気工業株式会社 戦略本部 人材・組織開発部 部長)
関 尚弘 氏(古河電気工業株式会社 事業 DX 推進部 主幹)
藤原 浩之 氏(古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社 人事総務センター長)
伊藤 麻結 氏(古河電工ビジネス&ライフサポート株式会社 人事総務センター グループ業務支援室長)

#01「個」ではなく「組織」で戦う状態をつくりたい

組織力強化の必要性について語る關氏

組織力強化の必要性について語る關氏

人材・組織開発の責任者として、關さんは古河電工の現状をどう捉えていらっしゃいますか?
關 俊也 さまざまな環境の変化に対応するため、組織力のさらなる強化が求められていると考えます。

古河電工グループはパーパスとして「『つづく』をつくり、世界を明るくする。」、Core Valuesとして「正々堂々、革新、本質追究、主体・迅速、共創」を掲げて活動をしています。情報通信、電力、自動車に関する事業分野では、AIの普及などにより社会インフラの高度化が求められ、当社が提供する製品・サービスに対する需要が急速に拡大しています。数の増加にとどまらず、新しいモノの創出も必要になっています。

個々の社員がコアスキルや技術力を高めながら自らの業務を遂行することはまずもって重要ですが、同時に他の社員と協働して業務の効率性を高めたり社内外の組織と共創してさらなる価値を生み出したりすることの必要性が増しているのです。

しかし、私には「組織としての協働・共創の進め方にまだ大きな伸びしろがあるな」という印象があります。

具体的にどのようなシーンでそう思われますか?
關 俊也 例えば、工場のトラブル対応会議についてです。そもそもメンバーの予定を合わせるのが大変、キーマンがそろわない、ゴール設定が不明で原因追及に終始する、最終的な「誰が、何を、いつまでに」があいまい、局面の解決策はその場で決めるが、課題の解決策が不明・・・こういったことが多々見られます。結果、こうした問題に気付いた従業員が対応することで、業務が集中し、リソース配分不全につながっています。

たかが会議と思われるかもしれませんが、協働・共創には関係者間のコミュニケーションが必要不可欠です。仕事の量や難易度が増していく中、会議もままならない組織では戦っていけないと考えました。

#02超実践の場「プロジェクト」に投入し、育成する

組織力強化に資する人材をどう育成するかについて語る関氏

組織力強化に資する人材をどう育成するかについて語る関氏

組織力強化に向け、どのような取組みをされてきましたか?
關 俊也

エンゲージメント調査結果をもとに組織強化に向け「社員間の対話」を促したり、対話活動で得た気づきをふまえてリーダーシップ開発の取組みを始めたり、組織運営に必要な諸要素の言語化と現場教育などを進めてきました。

とはいえ、「対話の技法」「リーダーシップとは」といった座学研修だけでは、研修で得られた学びを現場のさまざまなシーンに応用できる人材を育成するのは困難です。「対話やリーダーシップの必要性に気づく→やり方を学ぶ→実践する→できたこと、できなかったことを振り返る」という成長サイクルを回せる場で人材育成をしたい、と考えていました。

関 尚弘 一方、私は当社グループ内で発生するさまざまなプロジェクトを横断的にサポートする立場として「プロジェクトは人材育成の格好の場である」という信条を持っていました。社内外の関係者が集うプロジェクトの推進を任される社員には、必然的に関係者を巻き込み対話しながらリードする役割が求められるからです。実際、こうした役割を全うした社員がプロジェクト終了後に組織をリードし活躍するシーンを幾度も見てきました。

とはいえ、社員になんの武器も持たせずいきなりプロジェクトに投入しても、何もできないまま疲弊してしまう可能性がありますし、プロジェクトも停滞しかねません。彼らに座学では得られない実践的なノウハウを授ける方法はないか、と常々考えていたところ、ケンブリッジの養成学校の話を聞いて、飛びつきました。

ケンブリッジの養成学校は、プロジェクトをリードするプロから現場で活かせるノウハウを直接学べるうえ、学んだことを現場で活かすことが宿題として組み込まれています。プロジェクトに入る社員に同時に養成学校を受講してもらえば武器も授けられ、コンサルタント要らずでプロジェクトも推進できる、一石二鳥だ、とひらめきました。

私は過去にケンブリッジとプロジェクトをご一緒した経験があるので「この人ならケンブリッジ流のプロジェクト推進技法をうまく吸収してプロジェクトをリードできそうだ」という目利きができます。グループ内のさまざまなプロジェクトの中からそうした人材を見出し、關に推薦することにしました。

組織・人材開発側の立場の關の考えとも一致していたので、話はスムーズでした。

その一環として、古河電工ビジネス&ライフサポートのプロジェクトメンバーが養成学校を受講したのですね。
関 尚弘 古河電工ビジネス&ライフサポートで進行していた大規模な人事システム更改プロジェクトと養成学校の受講スケジュールのタイミングが合ったのです。勤怠システム領域チームリーダー2名を最初の受講生として選抜しました。

#03「正直、今なの?」から始まった受講

相手に「伝わる」資料をつくるための、7stepフレームワーク

相手に「伝わる」資料をつくるための、7stepフレームワーク

受講いただいた2名のうち、伊藤さんは2023年7月から、プロジェクトや業務推進に必要な基礎スキルを習得する「Foundationコース」を受講されました。当時の印象を教えてください。
伊藤 ふたりとも初のプロジェクトワークで、日々さまざまなことに翻弄されながら半年ほどが経過したタイミングで「研修に行ってみない?」と言われました。正直に言うと、「今なのかな」という気持ちはありました。「忙しい時期なのにね」と、もう一人のメンバーと話したのを覚えています(笑)。

初回は「プロジェクトの心構え」という授業でした。プロジェクトとルーチン業務の違いや、進めるうえで陥りがちな落とし穴、意識すべき具体的な振る舞いを学び、受講前に感じていた印象がガラッと変わりました。当時は、パートナー企業とのやり取りや社内調整で発生する手戻りや認識のズレに悩んでいた時期でもありましたが、「プロジェクトって日々の業務と違ってこんな特徴があるんだ」「だから、普段からここを意識して変えていかないといけないんだ」と、自分たちが置かれている状況を客観的に捉え直すことができ、プロジェクトの見え方が変わったのを覚えています。

他に印象に残っている授業はありますか?
伊藤 資料作成の授業です。いきなりスライドを作り始めるのではなく、その前に5つもステップがあるのか、と驚きました。

ちょうど関係者へのシステム変更点の説明など、プレゼン資料を作る場面が増えてきたタイミングだったので、一緒に受講したメンバーと膝を突き合わせて、資料で伝えたいことを発散したり、相手の立場や状況を考えながら説明のシナリオを作ったりしたことが印象深いです。

プロジェクトと研修の両立は大変ではありませんでしたか?
伊藤 予習や事後課題もあるので、時間的には結構大変でした(笑)。ただ、「これをやれば、プロジェクトが前に進む」という実感がありました。
研修中、藤原さんには2人のメンターとして毎回の授業後に受講生から学びや感想を聞き、それにフィードバックする面談を実施していただきました。特に意識していたことはありますか?
藤原 受講生の「学びたい」という気持ちを支えることです。

人は、学ばなければいけないと頭では分かっていても、実際には日々の業務に追われてしまいます。そんな状況でも学び続けられる人には、どこかに「こうなりたい!」という憧れがあると考えています。実は、初回授業が終わって感想を話す2人の目がキラキラしていたのを覚えています。その際に、「よかったよね!ケンブリッジさんみたいに、プロジェクトを進められるようになりたいよね!」とここぞとばかりに応援しました(笑)。

研修と仕事の両立は決して楽ではなかったと思いますが、憧れがあったからこそ前向きに続けられたのではないか、と思っています。

#04組織力強化とプロジェクトの推進を両輪で回せた

伊藤氏の活躍っぷりを熱弁する藤原氏とほほ笑む伊藤氏

伊藤氏の活躍っぷりを熱弁する藤原氏とほほ笑む伊藤氏

養成学校卒業後も学びを実務に活用し続けた結果、予定日前日に新システムをリリースできたと伺いました。成果につながったポイントはありますか?
伊藤 一番意識していたのは、パートナー企業と週1回行う定例会の運用です。定例会前に必ず「この会議ではここまで決めよう」というゴールを決めて臨むようにしていたんです。未決事項が残った際も、「誰が何を検討すれば、決められるか」を整理して次の会議までに準備していました。このサイクルを毎週きちんと繰り返していたことが、遅延なくプロジェクトを進められた要因かなと思います。
藤原 プロジェクト全体のマネージャーである私から見て、養成学校を受講した2人は他のメンバーがやるべきタスクの中でも、特にパートナー企業の受け持ちタスクを上手くマネジメントしていました。

例えば定例会の場で、パートナー企業が先週やることになっていたタスクにまだ手を付けていないことがわかると、角が立たない言い方を意識しながら「このままでは全体スケジュールに影響が出る」と指摘していました。

言いづらいことを後回しにせず、パートナー企業と真摯に向き合っていたからこそ、1週間、2週間とずるずる遅れていくこともなかったのだと思います。

プロジェクトでパートナー企業との対立構造に悩む方は多いと思います。伊藤さんなりの解消のコツはありますか?
伊藤 パートナー企業と我々は有する専門性が異なるので、使っている言葉や仕事の進め方にも、どうしてもズレが出てくると感じていました。

そこで意識していたのが、養成学校で学んだ「認知を合わせる」という考え方です。なんとなく分かったつもりで進めるのではなく、「今おっしゃったのは、この理解で合っていますか」と、一つひとつ確認し、認識をそろえていたことが効果的だったのかなと思います。

今回の成果について、藤原さんはどのように感じていらっしゃいますか。
藤原 複数名で学べた点は大きかったです。一人だと「これで合っているかな」と迷いがちですが、2人で同じことを学んだことで、「こういう理解でいいよね?」と相談しながら進めていました。

また、養成学校を通じて磨き上げられた対話の技術が、プロジェクトに限らず普段の業務でも活きています。伊藤さんは現在、20人近い部下を持つ立場になりましたが、周囲に寄り添いながらコミュニケーションを取り、前向きに仕事を進めてくれています。

關 俊也 伊藤さんがプロジェクトで活躍しただけでなく組織での協働をリードしていると聞き、まさに組織力強化に資する人材の育成とプロジェクトの推進を両輪で回せた好例だと思いました。

#05学ぶ必要性に気づく「場」をつくっていく

学ぶ必要性に気づく「場づくり」として行われた会議ファシリテーション研修の様子と自ら講師をする関氏

学ぶ必要性に気づく「場づくり」として行われた会議ファシリテーション研修の様子と自ら講師をする関氏

最後に、今後の展望を教えてください。
伊藤 時間が経つと、学んだことを忘れてしまったり、「やろう」と決めたことがいつの間にか止まっていたりします。だからこそ、定期的に振り返る機会を設ける、周囲を巻き込んで学ぶ場をつくるなど、学びをそれっきりにしない取組みに挑戦したいです。
藤原 私たちの職場では、会議の進行をリーダーが担うのが当たり前になってしまっていました。そこで職場メンバー全員に対しても、ケンブリッジ主催の半日の会議ファシリテーション研修に参加してもらいました。

そこからは、メンバー層にも週次のチームミーティングで一部の議題の進行を任せるなど、できる範囲から会議をリードしてもらっています。「会議がこんなに進行しづらいものとは思わなかった、リーダーの気持ちが少し分かった」と気づくメンバーもいます。このような経験を積み重ね、組織力を高めていきたいです。

關 俊也 人材・組織開発の立場として、「学ぶ必要性に気付いている人」に機会を提供することはできます。一方で、本当はさまざまな状況変化に応じて変わっていかないといけないのに、現状の仕事の進め方に満足してしまっている人や組織に、どうすれば「このままではいけない」と思ってもらえるか、その意識醸成がとても難しいと感じています。

組織の上位層への働きかけや今回のような古河電工ビジネス&ライフサポートの好事例の社内への紹介などを通じて、協働・共創できる組織の有用性を訴求していきたいと考えます。

関 尚弘 今回の取組みが成功したことで、組織力強化を担う資質のある人を見極めてプロジェクトや養成学校を通じてその資質に磨きをかけるという構想に確信がもてました。グループ内を見回し、そういった資質のある人は養成学校の受講を勧めたり、關が言う「現状で満足している人や組織」に対しては、ケンブリッジのコンテンツを紹介したり、私自身が会議ファシリテーション研修をしたりして、草の根で意識醸成に取り組んでいきたいと考えます。
本日は貴重なお話をありがとうございました。

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