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日野自動車株式会社様

 

日野自動車株式会社(以下、日野自動車)は、30年来利用し続けていた人事システムの再構築と業務改革を行うため、ケンブリッジとパートナーシップを組んでプロジェクトを推進し、困難を乗りこえながらも改革を成し遂げた。

商用車のフロントランナー

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日野自動車はトヨタグループの商用車部門として、トラック・バス、各種ディーゼルエンジン、補給部品の製造・販売を手掛けている。大型・中型トラックの国内最大手として、38年間連続で販売シェアNo.1※を達成した。

 

また、アジア・オセアニアでもトップのシェアを争い、北米などの事業も着実に成長させている。1991年に世界で初めてディーゼルエンジンと電気モーターによるハイブリッドのバスを市販化するなど、先進の環境技術を誇り、「世界のHINO」として「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」を使命に、広く社会に評価される事業活動を行っている。
※積載量4トンクラス以上の大型・中型トラックで、輸入車を除く。(日野自動車調べ、2011年時点)

急務となっていた人事システム再構築と業務改革

2007年、日野自動車の人事部門では事業のグローバル化や雇用形態の多様化に伴う業務の変化にシステムが対応できず、手作業などの非効率な業務が増えていた。さらに、30年前に構築したホストコンピュータは社員番号の枯渇や、ハードウェアの保守期間終了など、多くの課題を抱えていた。

 

いよいよ人事システムを再構築せざるを得ないと判断した日野自動車は人事部門、システム部門でプロジェクトチームを立ち上げることになった。しかし、専任ではないメンバーの集まりのためプロジェクトに時間を割きにくく、検討が進まないことが予想された。そこで、状況打開のため外部の支援を活用してはどうかという意見が出された。

なぜ、ケンブリッジをパートナーに選んだのか

複数のコンサルタントから話を聞き、最終的にプロジェクトを共に推進するパートナーとして選んだのは、ケンブリッジだった。そこには3つの選定理由があった。 まず、日野自動車の立場から課題を解決してくれること。「最後まで一貫して支援するか」「パッケージ選定における中立性」などの、コンサルティング・スタンスにこだわった選考となった。

 

次に、ケンブリッジには人事領域での豊富な実績があったこと。特にシステム構築にとどまらず、業務の改革をリードするための確固たる方法論を有していること。 最後の決め手は、ケンブリッジの顧客の声であった。ケンブリッジと共に人事改革プロジェクトを成し遂げた他社の担当者に会い、プロジェクト事例をヒアリングした際に聞いた 「ケンブリッジは現場に入り込み、共に汗を流して支援する」という声で、自分たちが求めるパートナーだという確信を持ったのだ。

プロジェクトの成否を分けた3つのポイント

1年数ヶ月後に新人事システムは稼働し、多くの業務が改善されることになるが、プロジェクトを成功に導くことができた背景には、大きく3つの要因があった。

(1)明確なプロジェクトゴール

一般的に、プロジェクトを開始するにあたり掲げられる「プロジェクトゴール」は何でも盛り込まれた、どうとでも取れる文言になることが多い。日野自動車ではプロジェクトゴールの策定にあたり、マネージャークラスのみならず、多くの関係者へヒアリング・討議を重ねた。

 

その結果「いきなり人材育成や職場の活性化といったテーマを目指すのではなく、まず非常に効率が良くない業務のプロセスを全面的に見直す。その後見直された業務を土台として、本来目指したい人事施策を打っていく」 という、改革の優先順位がはっきり示されたゴールを決定した。

 

このプロジェクトゴールは図示され、プロジェクト終了まで繰り返し議論中に引き合いに出されることになった。

(2)あるべき姿を実現するための妥協なきパッケージ選定

プロジェクトの核となる人事パッケージを選択するにあたっては、ケンブリッジの確立された方法論を用いて評価を行った。まず、詳細な提案依頼書を作成し、機能がニーズを満たしているかを緻密に分析した。次に自動車業界独自の業務に基づいた業務シナリオを作成し、候補ベンダーにはシナリオに沿ったパッケージデモを依頼した。

 

こういった評価により、パッケージの長所・短所を浮き彫りにすることができた。例えば、日野自動車では、期間従業員を中心に、採用決定から入社・配属までが短く、入社日の変更なども珍しくはない。こういった他の業界とは全く違った自動車業界特有の入社事務プロセスのため、独自のシナリオに沿ってデモンストレーションを実施しなければ、 新しいシステムで何が出来て、何が出来ないのか(パッケージが使い物になるか)を判断することができなかった。

(3)状況の変化に柔軟に対応するプロジェクト管理

2008年下期、世界的金融危機に起因する経営環境の激変により、プロジェクトは危機を迎えることになる。プロジェクトの主役である人事部門の担当者が緊急課題の対応を優先せざるをえず、プロジェクトに時間を割けなくなったためだ。このままではプロジェクトは予定通りに稼動できず、プロジェクト経費は大きくふくらんでしまう。

 

対応策としてプロジェクトゴールを一部見直し、解決すべき課題に詳細な優先順位をつけることで、優先度の高い領域へ担当者の時間を集中的に割くこととした。その後もシステム稼働開始まで予断を許さない状況が続くことになるが、プロジェクト開始から続けていた「課題・進捗の見える化」により、日々対策を打つことができ、最終的には、当初の予定通り稼動を迎えることができた。

 

写真:日野自動車株式会社 人事部人事課 七海吉彦氏

日野自動車株式会社
七海吉彦氏

当時を振り返り、プロジェクトマネージャーを務めた、人事部人事室の七海吉彦氏は次のように語る。

 

「常時プロジェクトのステータスを俯瞰し、関係者と迅速に情報共有し、肝となる領域に絞って打つべき手を打った。大変な状況でもケンブリッジメンバーは常に「Have Fun!」を実践しており、いつも楽しそうに仕事をしていた。それに巻き込まれる形で日野自動車のメンバーのモチベーションも高まっていった。ケンブリッジがいなければプロジェクトは途中で頓挫していたに違いない。」

ワークスタイルをも変えるプロジェクト

プロジェクトの成果としては、給与計算事務作業の削減、膨大な紙帳票の削減、システムが一元管理されたことによる二重入力の廃止など、数多くある。しかしプロジェクト終了時に多くの関係者が口にしたのは、人事部門、システム部門の意識が変わった、という目に見えにくい成果である。

 

これまでの人事部門は各グループごとに縦割りで業務を担当し、部分最適を追求しがちだった。プロジェクトを共に乗りこえた後は、グループの壁を越えてコミュニケーションし、改善活動を推進することが増えていった。

 

また、ケンブリッジとの協働作業を多く行ったことで、会議の際は議題を事前に共有することや、課題共有の打ち合わせを短時間に頻繁に開くことでチームとしてスムーズに仕事に取り組むコツなど、生産性を上げるワークスタイルが自然に組織に浸透していった。

ケンブリッジスタイルを取り入れ、今もなお継続する業務改革

2009年5月の新システム稼動後、ケンブリッジの支援体制は当初の計画通り、次第に縮小していった。しかし、日野自動車においては、プロジェクトは歩みを止めることなくまだ続く。

 

プロジェクトを計画する際に作成した「施策一覧」には、プロジェクトの初期立ち上げ時点で達成すべき施策以外にも、数年かけて実施していく多くの施策がリストアップされている。日野自動車はこれを「人事部門を良くする宝の山」と呼び、現在も1つ1つ着実に実行にしている。そしてその際には、プロジェクトで培った多くのノウハウが活かされているのである。

※この情報は2011年現在のものです。

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