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ティーメディクス株式会社様

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2014年に創立10周年を迎えたティーメディクス株式会社様は、今後のさらなる成長に向けた全社業務改革の一環として、新たな業務基盤システムの導入プロジェクトに取り組み、2017年初頭に正式リリースを迎えられました。

今回はPJマネージャーを務めたケンブリッジの貴志とともに、PJリーダーを務めた弓削様、サブリーダーの小林様、システムグループ・リーダーの星野様に参加いただき、時間・コスト・人的リソースなど様々な制約がある中、困難なプロジェクトを完遂した要因について振り返っていただきました。

――最初にティーメディクス株式会社(以下、TMX)の概要について教えてください。

 

弓削:当社はオリンパスグループの一員として2004年に創業しました。以来、経験豊富な医業経営アドバイザーによる医療機関への低侵襲医療機器全般のファイナンス提供、診療経営改善コンサルティング、ビジネスモデルの構築支援など、幅広いソリューションを通じて「医療と経営システムの最適化」を支援しています。

当社の代表的なサービスとして、「Value Per Procedure」(VPP)があります。医療機器を実際に利用した回数分だけお支払いいただく「症例単価払い」方式を採用したもので、従来のレンタルやリースとは異なり、費用最適化・機器運用最適化につながる独自性の高いサービスです。また、このサービスを起点に、お客様の医療と経営に役立つ各種データもご提供しています。

コンサル変更による不信感の中、PJをリスタート

――今回のPJは、2014年に創立10周年を迎えたことを機に、さらなる成長を見据えた全社的な業務改革が主眼だったそうですね。

 

弓削:2014年10月にまず、半年間を期限としたPJが立ち上がり、営業部門にいた私、マーケティング部門の小林、システムグループの星野がPMO(project management office)を務めることになりました。当社としても大規模かつ長期にわたるPJは初体験だったため、あるコンサル会社に入ってもらい、現状分析・施策検討を進めていました。

ところが、その進め方がアバウトで少しずつ不信感がふくらみ、その後に出てきた施策案も当社の実情にそぐわず、具体的なゴールのイメージも浮かばなかった。「さすがにこれでは進められない」と、PJオーナーである社長に相談し、変更をお願いしました。

 

小林:求めていたのは、私たちが思い描く理想に至るまでの具体的な「プロセス」、次の一手をきちんと示してくれるコンサルでした。しかし、当社の業務を理解しようとせず、自分たちのやり方を押し付けるばかりで。そのせいでコンサルタントに不信感を持つようになりました。

 

星野:既にPJ立ち上げから3カ月が経過していたため、急いで新たなコンサルティング会社を探しました。そんな時に偶然手にしたのが、ケンブリッジの白川さん、榊巻さんの本でした。それが好印象だったので、選定コンペに参加してもらったのです。

 

小林:ケンブリッジの最初の印象は、ムダに明るく、元気が良すぎる方々だなと(笑)。とはいえ、選定コンペのプレゼンでは当社の事業や業務をきちんと理解した上で、最初の一歩の出し方からゴールまで具体的にイメージできる施策案を示してくれました。

 

弓削:特に、非常に複雑なVPPのビジネスモデルを、わかりやすく端的に説明してくれたことには、プレゼンを受けた経営陣も驚いていました。私が印象的だったのは、何事もオブラートに包まず意見してくれたこと。当社の経営陣にも「この業務プロセスがうまく回っておらず、そのために現場の方々が困っている」などと率直に意見してくれました。必要以上に気を遣って当たり障りのない指摘をするのではなく、誰に対しても言うべきことは言ってくれるコンサルタントなのだと、安心しました。

風向きが変わった、将来業務の具体化プロセス

――ケンブリッジとの協働は2015年1月から始まり、3月頃までに現状調査と将来業務の構想策定に取り組まれました。

 

弓削:とにかく、時間の遅れやコスト増を取り戻さなければという焦りがあり、PJを前に進めるためのアウトプットを求めていました。加えて、当時はまだコンサルに対する不信感も残っていましたね。

 

貴志:そうした状況や空気を変えたいと思い、我々もフルスピードで現状調査・構想策定を進め、週単位でレポートなどを提出しました。

 

星野:新鮮だったのは、会議やヒアリングを行う際、意見を要約してフリップチャートに書き出していたこと。私自身、当時は入社してまだ1年ほどの時期で、業務全体の詳細が把握できていませんでした。構想策定を進める中で、それらをケンブリッジがわかりやすく整理してくれたので理解が深まり、さらに改善すべき点も明確になりました。個人的にも非常にありがたかったですね。

 

小林:私たちが抱えていたモヤモヤとした課題を整理し、現状や課題を“見える化”してくれたというか。それでも「これくらいは当たり前だよね」と、まだまだ信じ切るところまでは至らなかった。

――2015年4~6月は将来業務の具体化に取り組まれ、そこから新システムの要求定義を進められました。

 

貴志:1つの転機になったのが、このプロセスを進める中で「業務基盤システムの見直し」という課題が浮かび上がってきたことですね。当初はシステムの見直しという話は出ていませんでしたが、全社的な業務改革を進める上では非常に重要だとわかり、新たなテーマとなりました。

将来業務については、皆さんが持っている情報を吐き出してもらいながら、朝から晩まで根を詰めて議論しましたよね。そのサイクルを繰り返しながら、課題の優先順位を付け、新システムの要求定義を進めていきましたが、このあたりから私たちに対する空気が変わったように思うのですが。

 

弓削:この時期に初めて貴志さんと腹を割って話し合い、互いの想いが一致しているとわかり、そこから人間的にも信頼し始めたというか。

 

小林:私もこの時期に印象が変わりましたね。複雑で広範囲に及ぶ業務の全体像を見える化し、どこにどんな問題があるのかをスピーディに洗い出してくれた。自分たちでは整理しきれなかったものが整理され、純粋にすごいと思いました。「ケンブリッジがいなければ、PJが進められない」と周囲に訴え始めたのも、この時期でした。

 

星野:現状の課題と本来あるべき業務の状態が明らかになり、将来業務について具体的に考えられるようになりました。意見を要約しながらリアルタイムで書き出すスクライブをはじめ、議論の回し方、発散と収束など、ケンブリッジが行うファシリテーションの効果も実感しましたね。

 

貴志:それができたのは、皆さんが広く深い情報を持ち合わせていたこと、必要な情報を素早く引き出せる人脈もあったから。そのおかげで、我々もスピーディに動くことができました。

 

弓削:実は、このプロセスを進める中で取り組むべき課題の大きさがわかり始め、3名のPMOでは回しきれないと感じるようになり、6月頃に役員会で状況報告を行った際、「ケンブリッジとの契約を延長してほしい」とお願いしました。

要求定義からベンダー選定、基本設計へ

――7月~9月は新システムの要求定義とベンダー選定に取り組まれました。

 

貴志:要求定義のプロセスでは、「ファンクショナリティ・マトリクス(FM)」を作成しました。皆さんと連日夜遅くまで議論を重ねながら、先に具体化した将来業務をもとに、必要な機能と必要のない機能を整理したり、機能の優先順位付けをしたり。これをもとに、ベンダーのコンペに向けた評価シートも作成しました。

 

星野:作るべき機能、作らない機能などを網羅した一覧表を作成したおかげで、常に機能の全体像を俯瞰しながら議論を進めることができました。ベンダーの選定においても、これが非常に役立ちました。

 

弓削:私や小林はシステムについてはほぼ門外漢ですが、ケンブリッジが「この機能は皆さんの○○の業務に関わります」「この機能は本当に必要ですか?」などと、FMの見方や考え方をレクチャーしてくれたおかげで、思考が整理されました。機能の優先順位付けについても、最初は欲張って多くの機能の重要性を「高」にしがちでしたが、機能全体を見ながら相対的に評価したことで、納得した上で「中」「低」に落とすことができました。

 

小林:優先順位付けにあまり悩まなかったのも、FMがあったからだったと思います。チームで議論したり、他者に意図や目的を伝えたりするためには、わかりやすく整理された資料が必要になります。私自身、頭では概念を理解していても、それを体系立ったアウトプットとして示すのは苦手でした。その点、ケンブリッジは暗黙知化された情報を上手に表現するための方法論を持っています。

 

貴志:最終的に選定したベンダーも、それぞれの機能で達成したいこと、それらの優先順位が明確だったので「判断が必要になった際にも困らなかった」と言っていました。

――そこから基本設計に取り組み始めたのが2015年10月頃。その中でケンブリッジが果たした役割は?

 

弓削:当社の業務を理解し、さらにシステムにも明るいので、非常に良い“通訳”になってくれました。ベンダーとの意思疎通は難しいものですが、例えば、ある機能を実現することで当社の将来業務にどんなメリット・デメリットがあるのかまで先回りし、ベンダーと意見交換してくれました。目先の改善ではなく、常に業務の「あるべき姿」を起点にしながら説明してくれたおかげで、意思疎通もスムーズに行うことできました。

 

貴志:弓削さんと小林さんは、システム導入PJは初体験でしたが、その中でも将来業務について徹底的に議論したからこそ、ベンダーに対しても目的や機能を正しく伝えることができたのだと思います。

 

星野:新システムの導入は要件定義の質で成否が決まると言われますが、今回は最初から将来業務の具体的なイメージ、そこに至るプロセス、必要な機能などが明確にされていたのが良かったですね。ケンブリッジが求める機能、当社とベンダーの役割分担などについてまとめた資料をベンダーに渡してくれたこともあり、より良い関係を築くことができました。

膨大な現場作業に追われた設計・開発・テスト

――2016年2月頃からはシステム設計・開発・テストの段階、同時に各種データの移行計画づくりが進められました。一方で、ケンブリッジは同年7月頃に離脱することが決まっていました。

 

弓削:この時期はとにかく考えなければならないこと、やれなければいけない作業が多すぎ、毎日それに追われていました。PMOでありながら、我々3名はPJ専属ではなく、通常業務との兼任だったため、その分負担も大きく、身体的にも精神的にも厳しい時期でしたね。

 

貴志:この時期は我々も人数を増やしてサポートに当たりました。

 

小林:誇張ではなく、本当に地獄の日々でした。私は試算表づくりや帳票改修を行うチームを担当していましたが、PMOの役割が全く果たせなかったほど、現場の作業に追われて。それは別のチームを率いていた弓削も星野も同じでした。私たちが現場作業に追われる中、代わりにPJ全体の進捗管理をしてくれたのがケンブリッジで、常に先を見据え、抜け漏れを確認しながら指示を出してくれました。

サポートに入ってくれた方々も、貴志さんと同じくこちらの期待に応えるために一生懸命になり、私たちと一緒に苦労を共にし汗を流してくれた。非常につらい時期でしたが、そのおかげで何とか乗り切れたのかもしれません。

 

――ケンブリッジ離脱後は、現場への受入テストを経て、2017年初頭に正式リリースを迎えられました。

 

小林:実はケンブリッジがいなくなったあと、それまで支援頂いていたデータ移行について、大量にあがってくる課題対応が回らないという事態に陥りました。ケンブリッジがいる間はうまく課題やけ検討事項を捌けていたのですが、ケンブリッジが抜け、うまく課題を捌けず火消に追われる状態になってしまい……。

 

貴志:それでも受入テストを乗り切り、リリースを迎えることができましたよね。リソースが限られていた中、あれほどの膨大な作業を3名体制でやりきったのは本当にすごいと思います。

 

弓削:困難だったPJ後半を乗り切ることができたのは、PJ前半で将来業務の具体化や要求定義の議論を徹底的に行っていたからだと思います。私自身としても、徹底的に議論したからこそ、PJを最後までやり遂げたいという想いがありました。リリースを迎えるまで、全員が色々なものを背負いながら必死に頑張っていましたね。

 

貴志:当初予定していた予算・計画に対して、ほとんどぶれることなく正式リリースを迎えられたのは、皆さんとベンダーが互いを補完しながらPJを進めたからこそ。リリース後の社内の反応はいかがですか?

 

弓削:当社としては初めての大規模なシステム変更だったため、導入間もない現段階ではまだ現場の拒否反応が強いですね。導入初期にある程度の問題が起こるのはしかたがないと思いますし、改善しながら前に進んでいきたいと考えています。

 

小林:個人的には良いシステムができたと思いますし、慣れの問題をクリアすれば、そうした声も減っていくはずです。たしかに以前とは使い方が変わり、入力しなければならない情報量も増えていますが、その分、新たに活用できるようになった情報やデータは格段に増えています。もう少し時間が経てば、新システムの恩恵が浸透していくと思います。

 

星野:このPJでは、スタートから現在に至るまで、社内の様々な部署と意見を交わしてきました。そのおかげで、以前よりも横のつながりが強くなっているように感じます。導入間もない新システムも、現状では改善するべき点はまだありますが、そのあたりも様々に意見を交わしながら、より良いシステムに育てていきたいと思います。

ケンブリッジとの協働から得たもの

――このPJにおいてケンブリッジが残したものとは?

 

弓削:資料の作り方は本当に勉強になりましたね。「伝える」という目的に合致した見やすさ、わかりやすさを表現するテクニックは現在も活用しています。もう1つは、ファシリテーションですね。私は元々、自分の意見ばかり言ってしまいがちでしたが、まずは相手の意見を受け入れ、その上で考えて話す。物事を俯瞰しながら考え、相手に意見を伝える。こうした部分は非常に勉強になりました。

 

貴志:私もPJを通じて、弓削さんは全体を俯瞰するのが上手だなと感じていました。

 

弓削:こたしかにPJ後半にかけて、社長や部長から「周りがよく見えるようになった」と言われることが増えましたね。

 

星野:普私は、先日行ったシステムグループの新年度キックオフミーティングで「アイスブレイク」を活用しましたが、好評でした。また、会議の目的やアジェンダ、ゴールの状態などを可視化・共有した上で議論を進めることで、納得感を引き出しながら合意形成を図り、実行に移していく。こうした議論の進め方は参考になりました。

特に、フリップチャートを使ったスクライブは、物理的に情報を示すことで、皆の視線を合わせながら話し合うことができ、議論の流れも確認できるため、迷った時に最初の意見に戻ることもできる。一つひとつは小さな工夫ですが、それらを愚直に積み重ねていくことで効果的な合意形成を図る点が、ケンブリッジのすごいところ。

 

弓削:意見の要約することも上手でしたね。ケンブリッジと議論していると、「それは例えば、こういうことですよね」「言い換えるならそれは……」といった言葉が頻繁に出てきました。意思疎通を図るための言葉や表現の引き出しが多かった。

 

小林:私が思うケンブリッジの良さは、「物事をきれいにまとめようとしないこと」ですね。常に本音で、裏表なく話をしてくれましたし、目的をぶらすこともない。また、私たちの期待に応えたいという真摯な気持ちで一生懸命に取り組んでくれたことも、ケンブリッジのメンバー全員に共通していました。

 

弓削:個人的に良かったなと思うのは、ケンブリッジの貴志さんをはじめ、社内外の方々と議論する機会が増え、知識や考え方、物事を見る視野が広がったことです。特に貴志さんとは年齢も近かったこともあり、PJが進むごとに本音で話せるようになりました。我々の業務を真剣に考え、常に率直な意見をくれたので、仕事以上の関係になれたと思います。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。
 
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