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スミセイ情報システム株式会社様

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スミセイ情報システム株式会社様は、IT部門における「一般作業の生産性向上」「プロジェクト活動を通じたリーダー育成」を目指し、2014年9~10月の1カ月半、ケンブリッジの「ファシリテーション型コンサルティング」を活用されました。

このインタビューでは、PJメンバーとして参加された後藤様、野田様、PJマネージャーを務めたケンブリッジの榊巻が当時のプロジェクトを振り返り、感じたことや意識の変化などを中心に語っています。

プロジェクトの狙いはケンブリッジとの協働を通して、盗めるモノを目一杯盗むこと

――最初にスミセイ情報システム(以下、SLC)の概要をご紹介ください。

 

後藤:当社は1971年、住友生命のシステム開発・運用業務を担う会社として誕生しました。以来、住友生命の保険・金融にかかわる大規模基幹システムの開発・運用・保守管理を担っているほか、長年培ってきたノウハウや技術力を活かし、現在は住友グループをはじめ、様々な業種・業態のお客様に向けて高品質のICTソリューションを提供しています。

――今回のプロジェクトは、「一般作業の生産性向上」「リーダー育成」が目的だったそうですが、その背景を教えていただけますか。

 

野田:日々、膨大な数の案件を進めていく中でQCDや生産性の向上は喫緊の課題となっています。そのため、以前からトップダウンによる品質・生産性向上活動を進めており、今回のプロジェクトもその一環として始まりました。

 

後藤:今回は、もう1つの目的がより重要だったと思います。ITが発展する中で我々に求められるニーズも多様化しており、常に自己変革できる組織づくり、それを牽引するリーダーの育成も大きな課題です。そこで、各部署のチーフ10名が集められました。

 

榊巻:人材育成に注力されていたPJオーナーからは、「変革を担うリーダーの育成」に対する強い要望がありました。特に、実践を通して効果的なプロジェクトの進め方、ファシリテーションの手法を学び、「再現性のある技術」にしてほしいと。そこで「ケンブリッジとの協働を通して、盗めるモノを目一杯盗む」とのテーマが掲げられました。

暗雲が立ち込めるキックオフ・セッション

――プロジェクト前半の2週間は、キックオフから集中討議までが行われました。

 

榊巻:キックオフ・セッションでは、プロジェクトの背景や目的、1カ月半後に到達したいゴールの状態、各自の役割などを説明しました。先の目的を達成するために、抜本的なBPR(Business Process Re-engineering)を行うこと、抜本的の意味(ゼロベース思考、全体最適、根っこからの改善)、活動の主体はコンサルタントではなく、SLCの皆さんであることなどを説明し、ケンブリッジのノウハウを全面提供することもお伝えしました。

 

後藤:最初にアイスブレーカーとして「カラーバス効果」のアクティビティなどがあり、面白そうだなと思いました。とはいえ、キックオフの時点では「業務改革をやる」「コンサルタントが入る」といった事前情報しかなく、また、トップダウンで始まったこともあり、正直なところ“やらされ感”も少しありました。

 

野田:キックオフでは「このBPRの主役はSLCの皆さんです!」と言われましたが、正直、あまりピンと来ませんでした。実はこの直前、私は別のコンサル会社と仕事をしたのですが、コミュニケーションが少なく、報告書を提出して去っていったような感じで。そのせいでコンサルタントを警戒し、後ろ向きで参加していました。

全員参加の集中討議でスイッチが入った

――キックオフから1週間後、丸1日かけて全員参加の集中討議が行われました。

 

後藤:集中討議に入る前の1週間、一人ひとりが感じていた業務課題を毎日、ケンブリッジにメールするという宿題をもらっていました。最初は従来と同様に、社内のルールや常識にとらわれたまま発想していましたが、ケンブリッジからの返信で「そもそも論」を投げかけられるうちに、凝り固まっていた頭が少しずつほぐされていきました。

 

榊巻:この宿題で挙がってきた内容をもとに、集中討議の午前中は発散のステップとして、課題の棚おろしと原因の整理、午後は収束のステップとして、検討テーマとなる施策案を決定し、施策案ごとのチーム分けと今後の進め方を確認しました。

 

野田:この時、初めてケンブリッジのファシリテーションに触れたのですが、「何かが違う」と感じました。そこで、昼食を早めに切り上げて会議室に戻り、午後のセッションに向けて準備する様子をジッと観察しました。すると、ものすごいスピードで意見を出し合い、意思決定をしていた。そこで「彼らは本物だ。本気だ」と気づき、私の中でスイッチが入ってしまいました。

 

後藤:私の場合は、午後の「収束」でスイッチが入りました。きっかけは、大きな模造紙に意見や問いかけなどを書き出し、徹底的に“見える化”していく「スクライブ」です。一つひとつの発言が要約され、リアルタイムに書き出されることで、脱線や空転がなくなり、一気に議論が収束していく様は衝撃的でしたね。

合意形成を図っていく際も、何気なく大事なキーワードを指さして皆の視線を集め、論点を揃えたり、納得感を引き出したり。個々のメンバーの中にあった課題が分類・整理されたことで、それぞれの課題意識がほとんど一致していたことも分かりました。このあたりから、メンバーの一体感が生まれてきたように思います。

 

榊巻:午後の施策テーマの検討では、設計レビューのあり方や非効率な業務などについてかなり議論しました。「このルール、プロセスは本当に必要ですか?」といった質問で根本に立ち返り、従来のやり方やルールをイチから見直していきました。

 

野田:紙・電子の二重管理や、各部門・協力会社との役割分担など、従来は「効率的ではないけれど、変えられないよね」と考えていた課題も、見方を変えることで解決の糸口が見つかったりして。私達が考えていた当たり前が「当たり前ではない」ことに気づかされたというか。

 

後藤:ケンブリッジから「それは何のため?」と質問されるたびに、前提や制約が取り払われて視界が広がり、ゼロベースで思考できるようになったことが気持ち良かった。他のメンバーも皆、同じことを言っていました。

小グループ活動~体感型の学習サイクル

――後半の1カ月は、2名×5チームに分かれて、改善施策案の検討・決定とその実行計画づくり、最終報告書(上申書)のまとめまでが行われました。

 

榊巻:後半は、小グループ活動としてSLC主体で議論を回してもらいました。活動を効率的に進められるようにプロジェクトの進め方やファシリテーションのメソッドについて、演習を交えたトレーニングを行いました。

 

野田:この中で、議論を回すファシリテーターと、意見を書き留めるスクライバー、それぞれの専任者を置くことの効果を改めて実感しました。トレーニング自体は非常に実践的で難しかったのですが、学びたいという想いのほうが勝り、充実した時間になりました。

 

榊巻:小グループ活動での打ち合わせは、当初予定していた回数から2倍ぐらいに増えましたよね。

 

野田:SLCのほうからお願いして、打ち合わせの回数を増やしてもらいました。この頃になるとプロジェクトが面白くなりすぎて、通常業務は休日出勤して集中的に行い、平日は可能な限りプロジェクトに時間を割くようになっていました。他のメンバーも同様でしたね。

 

榊巻:プロジェクトの後半にかけ、SLCの皆さんから「○○を教えてほしい」とお願いされる回数が増え、その熱意に触発されて、こちらからも「あれもこれも伝えたいから、そのために時間をください」とお願いする機会が増えていきました。ケンブリッジのメンバーも「大変だけど、すごく楽しい!」と言いながら活動していましたね。

開始当初は「皆さんの20%のリソースをプロジェクトに提供してほしい」とお願いしましたが、最終的には70~80%ぐらいになっていた。時間が経つごとに“前のめり感”が強くなっていました。

 

野田:すべてはお手本が素晴らしかったからでしょう。ケンブリッジのお手本には、発見や気づきを促す仕掛け、盗みやすい仕掛けが散りばめられていて、すぐに真似したくなるものばかりでした。自分自身がその効果を肌で感じていたため、ますます意欲的になれましたね。

振り返り(チェックポイント)で気付き、学びを最大化する

――各セッションの終了時、1日の活動終了時に振り返りの時間(チェックポイント)を設けていました。

 

野田:チェックポイントも非常に効果的でした。セッション内容の振り返り、決定事項、ToDoの確認だけでなく、良かった点や改善点のフィードバックがあり、指摘内容も的確で、それによって頭の中も整理整頓できました。また、改善のアプローチも事細かに教えてくれたので、次のセッションでさっそく試してみたくなりました。ケンブリッジの本気度、面倒見の良さには感動、感激しました(笑)。

 

榊巻:ケンブリッジのお手本を見て学ぶ。自分で実践し、客観的な指摘を受けつつ、種明かし的な解説を通じて背景にある理論を学ぶ。自分の実践を振り返り、学びや気づきを整理する。ケンブリッジからのフィードバックをもとに修正・改善し、次の実践に進む。こうした体感型の学習サイクルを素早く回すことで、学習効果が飛躍的に高まり、学びが定着していくわけです。

 

後藤:こちらの気持ちが熱いうちにフィードバックが得られ、すぐに実践の機会があったので、常にモチベーションを高く維持したまま活動できました。

 

榊巻:各部署のエース級の方ばかりだったので、ケンブリッジのお手本を見ると、ある程度はすぐにできてしまう。そのため、「○○はこうしたらもっと良くなりますよ」「こちらのやり方に変えると、よりスムーズになりますよ」と微調整していった感じです。

元々、ケンブリッジには良い点も悪い点も隠さずに伝え合う「心を込めてダメ出しする」というカルチャーがあります。ネガティブなフィードバックは時に悪く受け取られることもありますが、今回はスタート時から我々のダメ出しを見てもらっていたので、比較的受け入れやすかったはずです。

 

野田:むしろ、私達としてはネガティブなフィードバックは歓迎でした。システム開発におけるレビューは、誤りを潰していくために基本的に減点方式で、ネガティブなフィードバックを受ける機会が多く、慣れていたというか。悪い点があれば、どんどん教えてほしい体質なのです(笑)。

 

後藤:その意味で言えば、私はこの活動で何度もポジティブなフィードバックを受けたことが非常に嬉しかった(笑)。

 

榊巻:良い部分はさらに伸ばしてほしいですから、具体的にきちんとお伝えします!

振り返り(日報・週報)で思考の履歴を残す

――日報や週報のメールでも振り返りをされていました。

 

榊巻:チェックポイントでフォローしきれなかったPJメンバーの発見や気づき、学んだこと、モヤモヤしていること(質問したいこと)などについてメールをいただき、こちらからは次のセッションにつながるフィードバックや解説(種明かし)を返信しました。途中から「こうすればSLCで使える」といった文章が増えたのが嬉しかった。

 

後藤:プロジェクトの目的にも「盗む」がありましたが、実践とフィードバックを繰り返すうちに、自然と「自分達で使うなら」という発想でケンブリッジのお手本を見るようになっていました。

 

野田:記憶が鮮明なうちに相談できたことは、学びの定着という意味でも、活動や思考の履歴を残すという意味でも非常に効果的でしたね。また、短い期間に体感型の学習サイクルが回せたことで、自分が成長している実感を得ながら活動できました。

最終報告会で経営陣に熱量を伝える

――プロジェクトの最後は、グループごとにまとめた施策の実行計画を、経営層にプレゼンする最終報告会でした。

 

後藤:その準備段階では、プレゼンのミニトレーニングも行いました。「何のために、誰に対して、どういうストーリーで伝えるのか?」を意識し、常にキーメッセージ(最も伝えたいこと)を明確しようと教えてもらいました。ミニトレーニングで学んだことは、最終報告会はもちろん、プロジェクト後に自部署で行ったユーザー向けプレゼンでもフル活用しました。

 

榊巻:プレゼン準備は“やり過ぎ”だと思うほど、手間と時間をかけていましたね。

 

野田:平日はもちろん、休日もメンバー全員が出勤し、互いのリハーサルを見ながら修正作業を繰り返しました。私自身、「ここまでやったのだから、少しでも完成度を高めたい」という想いがありましたし、他のメンバーも「これだけ本気で検討した案が実現すれば、必ず業務は良い方向に変わる」という確信があったようで、「最後までやり抜きたい」と言っていました。

 

榊巻:我々も最終報告会に同席しましたが、経営層の方々にも皆さんの想いがちゃんと伝わっていたと感じました。

プロジェクト後の変化

――ケンブリッジとの協働はその後、どのような形でSLCに定着していますか?

 

後藤:会議を行う際も、目的やアジェンダ、ゴールの状態を確認するようになり、ペーパーレス会議についても、社内の通信インフラが整ったこともあり定着しつつあります。スクライブによる「顔を上げた会議」やフィードバックも、事あるごとに活用しています。

 

野田:私も様々な場面で、意識的にケンブリッジのノウハウを活用しています。このプロジェクトの直後、別のプロジェクトに参加し、要件定義のフェーズでスクライブやチェックポイントを使いましたが、非常に効果的でした。

 

後藤:この1カ月半は、本当に楽しかったですね。この活動のおかげで、色々な視点から物事を見たり、ゼロベースで考えたり、目的とゴールを意識して行動したり・・・。仕事に対する考え方、働き方がガラッと変わりました。常識やルールに縛られ、「しょうがない」と割り切って仕事をしているだけではダメだ、と気づかされたというか。

 

野田:普段、システム開発の現場では「遵守する」「徹底する」といった厳しい前提条件・制約条件の下で仕事をしているため、思考的なブレークスルーが起こしにくかったと思います。今回の経験を通じて「もっと自由な発想を持っていいのだ」と気づかされました。

 

榊巻:スキルやノウハウを盗んでもらうことも大切ですが、「働き方が変わった」「仕事が楽しくなった」と言ってもらえるのは、ケンブリッジとしては何よりも嬉しいことです。

“しきい値”を超えた熱量

――オフセッション(飲み会)の写真を拝見しましたが、SLCとケンブリッジの一体感が伝わってくる素敵な写真でした。

 

野田:1カ月半だったことが信じられないほど、議論の密度も一体感も濃く、強かった。最初にPJメンバーを眺めた時、「議論が空転しやすく、意見がまとまりにくいメンバー構成だな」と思いましたが、ケンブリッジと協働したことで、最終的に議論がうまく集約され、より良い成果物がまとめられた。それが信じられないというか、センセーショナルな出来事でしたね。

 

榊巻:土日も議論したり、セッションの回数が増えていったり……。“しきい値”を超えた熱量を持ったプロジェクトでした。その熱に触れて、我々も“しきい値”を超えてしまい、「もっと伝えたい」という想いが強くなっていきました。ケンブリッジの特長は、お客様とワン・チームになってプロジェクトを進めていくことですが、それが具現化されたような活動でしたね。

 

後藤:プロジェクト最終日に時間が余り、ケンブリッジから「何がしたいですか?」と尋ねられ、ファシリテーションのトレーニングをお願いしましたよね。1カ月半では学び足りなかったのだと思います。

 

榊巻:プロジェクトの終了後、ケンブリッジから皆さんに「通知表」をお渡ししました。まったく予定していなかったことなのですが、最終日の帰りの新幹線で、我々のメンバーから「誰がどんなふうに活躍したのか、自分達の言葉できちんと伝えたい」と言われて。「大変な作業になるけれど、本当にやるの?」と何度も確認しましたが、それでもと言うので私も覚悟が決まり、本気の通知表を作成しました。

 

――互いの想いがぶつかり合ったこのプロジェクトについて、最後にひと言ずついただけますか。

 

後藤:最終報告会で施策を上申し、当初掲げた目的については一定の成果を得ることができました。スキルやノウハウを「盗む」というテーマも達成できたと思います。しかし、このプロジェクトの最大の成果は、PJメンバーの意識が一変したこと。それが今回、ケンブリッジが置いていってくれた一番の“宝物”ですね。

ゼロベースで考え、本質的な議論をすること。想いを共有しながら合意形成してくこと。皆が同じゴールを見て、本気で活動すること。短い期間でしたが多くの学びがあり、同時にやりがいや楽しさが凝縮されたHave Fun!なプロジェクトでした。

 

野田:プロジェクトに携わった1カ月半で、メンバー全員が急激に成長しました。プロジェクトの前後で比較すると、議論や会議の進め方が大きく変わり、自由な発想で改善していく意識も高まり、どん欲にトライ&エラーを繰り返すようになっています。

私自身も、リーダーとしての考え方や行動が変わりました。良いお手本を見て、頭だけでなく体でも学べたおかげで、若手の育成する際に役立つ考え方、手段が身につき、効果的な指導ができるようになりました。すべてが一生使えるスキルであり、今も試行錯誤しながら磨き続けています。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。
 
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