お客様事例Our Success

NECネッツエスアイ株式会社様

 

NECネッツエスアイ株式会社様は、新たにコンタクトセンタークラウドサービスを2014年秋にリリースされました。

 

新サービスの企画から立上げまで、当時の状況を振り返ってお話を伺いました。

 

NECネッツエスアイからは、PJオーナーであった伊柳事業部長、大川統括マネージャー、プロジェクトマネージャーを務められた松本部長、ケンブリッジからは、プロジェクトマネージャーの榊巻、チームリーダーの木下が参加しました。

 

対談では、時間・コスト・人的リソースといった制約条件の中、サービス立上げを成功させるためにどのようなことを意識して進めたのか、また成功要因は何かといったお話をお伺いしています。

NECネッツエスアイという企業について

――最初にNECネッツエスアイの会社概要をご紹介ください。

大川:当社はNECグループの工事部門としてスタートし、社名にあるとおり、「ネットワークインテグレーション」を得意としており、大きく3つのマーケット領域で事業を展開しています。

 

一つはエンタープライズマーケットで、ビジネスオフィスにおけるNWや音声などを中心にサーバやアプリケーションまで幅広くITを提供しています。ここ数年ではワークスタイル変革の観点からエンパワードオフィスというコンセプトでオフィス改革をご提案しております。

 

もう一つの柱はキャリアマーケットです。皆様がお使いのスマホなどモバイルに不可欠な基地局やその基幹ネットワーク網の構築や保守を担っており、現代の高速な通信インフラを下支えしています。

 

最後にパブリック(公共)マーケット。国土強靱化の下、特に最近では消防防災領域で全国の消防救急システム、一斉同報システムなどを構築しております。

 

上記以外では、上は「宇宙探査機はやぶさの運用」から下は「海底ケーブルの敷設作業」まで、日本にとどまらず海外まで、さまざまな領域でITに関わるお仕事をさせていただいております。

新サービスの概要について

――今回立上げた『コンタクトセンタークラウドサービス』の概要とNECネッツエスアイのビジネスにおける位置付けを教えてください。

大川: 本サービスはクラウド型のコンタクトセンターシステムです。音声だけでなくCRMも含めて提供することができるサービスです。当社はオンプレミス型のサービスを中心に行ってきましたが、オンプレミス型のコンタクトセンターシステムとしては市場が頭打ち状態であり、サービス型の需要が増えてきています。

 

今回の新サービスによって、これまで提案段階で辞退せざるを得なかったクラウドサービス希望のお客様へもアプローチ出来るようになりました。

――リリース後の引き合い状況はどうでしょう?

大川:当初計画通りに順調に推移しています。音声だけでなく、音声とCRMのセットや、CRM単独での引き合いも増えています。特に、システムの切替え、入替えに際し、オンプレからオンプレに移行する間に一時的に利用するお客様も多くいらっしゃいます。1、2か月という短期間だけでなく、半年や1年と言った中期間のご利用もあります。

プロジェクトについて

――クラウド型のコンタクトセンター基盤は長年の悲願だったと聞きました。今回のプロジェクト発足の経緯を教えてください。

伊柳:クラウド型コンタクトセンター基盤の構築は、品川に本社があった頃の5年以上前から話がありました。 金融機関のお客様から持たざる経営のリクエストがあるなど、クラウド型のニーズはずっとあったのですが、クラウドサービス単独では、なかなかビジネスにならず、検討しては立ち消えを繰り返していました。

 

しかし、2012年にコンタクトセンター会社が当社グループに加わり、2013年4月に「グループ全社の事業基盤を活かした新たなビジネスモデルの創造」というトップの強い意志のもと、プロジェクトが発足しました。NECネッツエスアイのコンタクトセンター事業を統括していた私はこれをチャンスと捉えて、コンタクトセンター基盤のクラウド型による提供をテーマに検討を進めました。

 

また、単なるコンタクトセンターシステムの販売だけではなく、M&Aをしたグループ会社が持つコンタクトセンター運用ノウハウを活用し、センターそのものの運営を受託する、いわゆるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)までをセットにした、トータルのコンタクトサービスが実現できるサービス基盤を目指しました。
今回のプロジェクトは、構想策定に約半年、その後、実際にサービス体制を構築するのに約1年かかりました。

ケンブリッジの関わり方について

伊柳:構想策定の最初の段階から、ケンブリッジが参画していました。

 

木下:そうでした。実は、本PJの前段階からお手伝いしていました。新しく加わったグループ会社とのビジネスシナジーを最大化するためのプロジェクトをお手伝いしており、その関係から、本プロジェクトの支援もすることになりました。

 

僕らの役割は検討のファシリテートです。僕らが勝手に調べて答えを出すのではなく、NECネッツエスアイの皆さんが検討しやすい場を作り、プロジェクトを前に進める推進力となることが役割でした。

――プロジェクトの難所も沢山あったと思います。その辺をお伺いできますか?

難所①:同じ目標に向かうワンチーム体制の醸成

 

伊柳:沢山ありました。ひとつは複数の部署が関係していたので、合意形成が大変だったことです。

――部署間の利害関係は調整しづらいと思うのですが、どうやって乗り越えたのですか?

松本:調整はしていません。関連部署と一緒に夢を見る事を心がけました。一緒に苦労すると、少しずつ変わってくる。クリアしないといけない課題を一緒になって考え、収支計画を作る時に一緒に頭を捻るなど、一緒の目標に向かって一体感を出していくことを意識していました。そして、同じ目標と同じゴールにみんなが向かえるように様にケンブリッジが手伝ってくれたのです。

――なるほど、小手先の調整ではなく、みんなが同じ目的を向くようにと。ケンブリッジは具体的にどんな手伝いを?

松本:例えば、小さな打ち合わせであっても、会議のゴールを設定することで、ベクトルを合わせる。プロジェクトのゴールを掲げて、繰り返し見せて伝える、などですね。

 

大川:サービス型でコンタクトセンターシステムを提供するということを、メンバーに理解してもらうのが大変でした。一部の部署では、サービス型での提供を実施していましたが、SI型が中心の当社としては、なかなかそのあたりを理解し、合意しながら進めるのが難しかったです。あとは、部署ごとに、物事の考え方が言葉一つとっても違うので、倍の時間がかかる感じでした。

 

伊柳:同感。社内に伝えるのは難しかった。今までやって来なかったサービスだから余計に時間が掛かりました。社内に浸透させる動きをケンブリッジがかなり支援してくれたと思っています。

 

難所②:膨大なタスクの推進

 

松本:もう一つ、難所を挙げるとするなら、サービス構築に向けたスケジュールとリソースの管理です。多くの人間が掛け持ちでこのPJに関わっていました。だからリソースの管理が極めて難しい状況でした。その上、やるべきこと、作るべきものは山のようにありました。

 

例えばプライスリストや、サービス仕様書、契約書、商品紹介のリーフレットなど営業用のツール。システム設計書、保守の手順を示した保守マニュアルなどのドキュメント類。クラウド基盤そのものの構築、設定、テストなどのシステム開発タスク、営業部隊や保守部隊など新組織の立上げ、マーケティング・プロモーション戦略の立案と実行などです。

 

本当に色々なタスクをマネージしないといけませんでした。

 

木下:今思い返しても、本当にあらゆることをやっていました。大体どこかのチームが赤信号(進捗遅れがある、大きな問題が発生しているなど)になっており、その度に飛んでいったのを覚えています。

――あれだけの細かい領域をどうやってコントロールしたのですか?

松本:実は、コントロールしていないのです。各チームの進捗状況やリスクを、ケンブリッジが見てくれており、タイムリーに報告してくれるので、不味い時だけアドバイスをするだけで済みました。全部細かく見ようと思ったら成り立っていなかったと思います。

 

僕は大局的に見る役割、その下できちっと脇を固めてくれたのがケンブリッジでした。

 

伊柳:結果的に、ケンブリッジの進め方がうまかったのだと思います。

 

大川:後は、プロジェクトが上手くいってないと見るや、どこへでも突っ込んで行くのが良かった。

 

木下:関係部署がすごく多かったのですが、図々しく首を突っ込むのは意識していました。

ケンブリッジとの仕事で驚いたこと

――非常に難しいPJだったわけですね。それでも、みなさん楽しそうに当時の事を語りますね。

木下:僕は本当に楽しかったです。NECネッツエスアイのメンバーにとっては、ケンブリッジの異文化ぶりも、楽しさの一要素だったのではないでしょうか。仕事をして驚いたことなどありますか?

●成功に向かう姿勢

大川:プロジェクトを進めるためには言いたいことをどんどん言ってくる。PJメンバーが他案件対応で忙しくてもお構いなく入り込んできて、尻をたたいてPJをぐいぐい引っ張ってくれました。

 

伊柳:ケンブリッジのメンバーは、体調が悪い時も機嫌悪い時もあるだろうが、そんな素振りは見せず、見ていてプロ意識を感じました。

●プロジェクト推進の手法

大川:新規のサービスを立上げて、仕上げて、世の中に出していくにあたりNECネッツエスアイで足りていないところをとにかく補完して貰いました。例えば、複数部署が関係する場合の対応、プロジェクト立上げのプロマネのありかた、会議の進め方など。進め方全てが新しい考え方、進め方でした。

――具体的には?

大川:「どうなったらいいか?何が決まればいいのか?」とケンブリッジは常に問いかけ続けてくれました。それが効果的でプロジェクトが前に進んでいきました。プロジェクトを進めるために、役職の上下や部門に関係なく、押しかけてでも決定し、また会議の脱線をグイグイ修正してくれるなど、当社には必要な支援だったと思います。

●会議の雰囲気作り

伊柳:Icebreakerを上手く使って、会議の場をどんよりさせない空気の作り方は見事で、ファシリテーターとしてノウハウの1つだと感じました。空気が良くないと良い意見は出ないので、さすがだなと思いました。

 

松本:後は、会議で板書やポストイットをうまく使って議論を進めるのも非常に有効な技だと思いました。

 

榊巻:状況の「見える化」は意識してやっていました。とにかく書いて見えるようにする。例えば、会議の板書で議論のポイントを明確にしたり、ポストイットのToDoリストを伊柳さんの横にデカデカと貼ったりしましたね。

 

松本:あれはプレッシャーが掛かりますね。タスクの期限を守れなかった時に、ケンブリッジが期限を書き換えて貼り直すのですが、あの時の罪悪感が凄くて。「ああ、やらないとな」って思わせられました。

 

木下:狙い通りです(笑)

――プロジェクト後、変化したことはありますか?メンバーの成長はありましたか?

大川:会議のやり方は変わりましたね。会議の冒頭で終了条件を明確にすることによって、会議の生産性が高くなったと実感しています。
また、驚いたこととしては、このプロジェクトに直接関わっていない当社の社員まで、ケンブリッジのやり方を真似ていたことです。その社員が担当するプロジェクトでは、ホワイトボードに1ヶ月のカレンダーを書いて、いつまでに何をしないといけないかが一目でわかるように、付箋を貼って見える化していました。

 

木下:その変化は非常に嬉しいですね。

●コンサルタントのイメージ

伊柳:コンサルタントは「金とって責任とらず」のイメージでしたが、誰よりも必死で泥臭く手伝ってくれました。コンサルタントのイメージが変わりました。

 

大川:NECネッツエスアイのビジネスそのものでも協業できるのではと思っています。例えば、当社の顧客に対するコンタクトセンターの業務改善アドバイスなどです。

――ところで、ケンブリッジのメンバーが涙を見せたと聞きましたが、何があったのですか?

木下:それは、サービスリリースが終わり、伊柳さんが送別会を開いてくれたんです。その時に「ケンブリッジがいたからここまで来られた。本当に感謝している。泥臭く、粘り強く、いつも近くで私を、プロジェクトを、支えてくれてありがとう。また、一緒に働こう」という言葉を貰ったんです。あまりに、あたたかくて、優しくて、心のこもった言葉で、涙が止まりませんでした。
あれは最高の言葉でした。

今後の展望

――最後にコンタクトセンタークラウドサービスの今後の展開について教えてください。

大川:価格、サービス面をもっと強化し、他社との差別化するよう機能を強化したプラットフォームの導入を検討中です。全社としてのクラウド事業も強化して行く予定ですし、今後はオムニチャネル時代に向けて解析・分析やコンサルティングの領域まで入っていき、もっとお客様に喜んでもらえるように考えています。

――本日は貴重なお話、ありがとうございました。
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左から、松本氏、大川氏、伊柳氏

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