お客様からよく「ケンブリッジの仕事の進め方は素晴らしい」という声を頂戴します。このような評価の裏側には特別な魔法があるわけではなく、よりよいチームワークを実現するための「よき規律」が存在しています。クライアント・パートナー、プロジェクト・マネジャー、ビジネス・コンサルタント、それぞれの役割に係わらず、ケンブリッジのコンサルタント全員が日々実践している規律をご紹介します。ここにご紹介する一つひとつの規律は極めて当たり前のことばかりです。しかし、当たり前のことを日々愚直に実践することは実はとても難しいことだと私たちは考えています。
全てのことを独力で達成できる人はいませんし、誰もそんなことは期待していません。任された仕事の仕方が分からない時や迷った時には、すぐにそれを表明しなければなりません。メンバーを巻き込んで問題を解決することは、強いオーナーシップの証なのです。周囲の人は、メンバーがイエローフラッグを挙げてくれたことに感謝しましょう。
プロジェクトは描いた構想が実現されて初めて完結します。例えば、私たちが構築したシステムが無事稼動するだけではなく、それによってお客様のコスト削減や効率改善などの目標が達成できてこそ初めて成功といえるのです。プロジェクト・ライフサイクル全体を通してお客様を支え続け、最後までお客様の目標達成にこだわることが、私たちのミッションなのです。
今の能力の範囲だけで仕事をしようとしてはいけません。早く成長するためには、多少の背伸びが必要です。失敗を恐れず、チャレンジしましょう。転ぶのをためらっていては、子供は自転車に乗れるようにはならないのです。
先入観や思い込みを捨てて、同僚やお客様の言うことに耳を澄ませましょう。人の話を聞かずに、自分の意見だけを主張することは時間の無駄です。耳の痛い意見ほど、大きな気付きを与えてくれるものなのです。
お客様二社が全く同じ成果物を提供されたとします。一方は適切な期待値が設定されていたため、満足しています。しかし、もう一方は期待値に注意が払われていなかったため、満足していません。期待値の影響は非常に大きいのです。お客様と期待値をすり合わせ、ギャップのない状態を保つことが重要です。とはいえ、「必要以上に」コミットメントを控えてもいけません。私たちは常にお客様の期待値を超えるべく、大いに努力しなければならないのです。
初めての環境、お客様、未知の状況に迅速に適応することは、プロフェッショナルである私たちの責任の一部です。これには、初めての同僚も含まれます。私たちは、実に多様な仲間なのです。「一緒に働きづらい」ということで同僚を無視してはいけません。関係が正常に働くよう考えることは、あなたの仕事の一部なのです。
失敗を他人のせいにすることはやめましょう。少し手を伸ばせばできた仕事を放置し、「私の仕事ではなかったから」なんて言い訳にもなりません。言い訳をするような状況に自分を置かないようにしましょう。
私たちはお客様にとって正しいことを実行します。そうでないビジネスに手を出してはいけません。正しいことをするための規範を持ち、「No」という時には、「なぜNoか」を言えるように準備しておきましょう。
私たちとお客様、それぞれ価値観は異なります。お客様の中にはプロセスよりも結果を重視する人もいれば、プロセスに納得がいかないと結果には見向きもしない人もいます。しかしいずれにしろ、良い結果は良いプロセスから生まれるのですから、私たちは結果を出せばいいだけではなく、洗練されたプロセスを提供しなければなりません。
会議のゴールとアジェンダを明確にしましょう。適切な人を招いたか、アジェンダと会議の論点を理解しているか確認しましょう。そして、宿題を済ませておきましょう。チームメンバー全員を同じ土俵に立たせましょう。予定にあるからというだけで不毛な会議を実施するのは止めましょう。
ケンブリッジではリーダーシップが最も価値あるスキルです。リーダーシップにはメンバーへの助言も含まれます。上の立場になればなるほど、メンバーをどれだけ成長させることができたかで評価されます。
状況の共有は迅速なほどより効果的です。時間とともに共有の価値は薄れ、取り返しのつかない状況に発展することもあります。自分の状況を可視化することは、プロジェクトに参加するメンバーが最低限行うべき責務です。検収段階になって初めて変更点や削除した内容を伝えるなんて最悪です。
一旦プロジェクトに入ったら、寝ても覚めてもそのプロジェクトのために生きる覚悟を持ちましょう。同時に複数のプロジェクトに関わって、うまくいくことは滅多にありません。自分が参加することで価値を生み出せ、きちんと責任が持てるという自信がない限り、二つ以上のプロジェクトに関わるべきではありません。
たとえプロジェクト内での自分の役割が限定的なものであっても、自らに全体を見る責任を課しましょう。ビッグピクチャ無くしてイエロー・フラッグをあげることはできません。あなた自身も成長できません。リーダーはメンバーが更に知ろう、参加しようとする態度を激励しましょう。これはメンタリングとリーダーシップという点でも大切なことです。
私たちは常にスピードを求める姿勢を失ってはいけません。ただし、フレデリック・ブルックスは名著『人月の神話』の中で、「女性がどれほどたくさん動員されたところで、子供一人が生まれてくるまで十月十日かかることに変わりない」と言っており、無理に急ぐことが逆に非生産的になる場合もあります。
プロジェクトにおいて起こることの少なくとも25%は想定外であると覚悟し、常に柔軟な対応を心がけましょう。ただし、柔軟であることは、考え得る最善の計画を立てなくてよいという意味ではないことは忘れないように 。
問題解決には様々なアプローチがあることを意識しましょう。 通常われわれは仮説を立て、緻密な分析を積み重ねて検証を行います。しかし、プロトタイピングのように、一つの仮説を実際に試してみたら、緻密な分析をするよりも断然早く答えにたどり着いてしまうこともあります。様々な方法を試み、最適なアプローチを選択できるようにしましょう。
定時に帰宅できるチームの仕事の進め方は、賢く、整頓されていて、先の事が考えられています。特別な理由もなしに遅くまで働いているチームより尊敬されるべきものです。時には時間外でも働かざるを得ない状況もありますが、このような状況は最後の手段であり、決して望ましいものではありません。日々、賢明に仕事に従事し、本当に急を要するときのために自分に余力を持たせましょう。
私たちには皆で成功するか、皆で失敗するかどちらかしかありません。ケンブリッジには、他人の不運を喜ぶような邪な思いの入り込む隙はありません。「自分の仕事ではないからやらなかった」も、あり得ないことです。チームの成功のために自分ができることは何かを常に考えましょう。繰り返しますが、私たちは皆で成功するか、皆で失敗するかのどちらかなのです。
チーム結成時に決めるグラウンド・ルールの最後の項目はいつも「Have Fun!」。お楽しみイベントだけでなく、プロジェクトを通して自分たちやお客様が変化し成長していく過程を楽しむ、これも「Have Fun!」の精神です。チームメンバー全員で仕事の楽しみを分かち合うことができれば、私たちは素晴らしい成果をあげ、お客様も私たちと仕事するのが本当に好きになるはずです。